はじまりを思い出してみた。

March 8, 2016

なぜ彫刻を選んだのですか?

 

とよく聞かれることがあります。

絵画でもデザインでも陶芸でもなく、なぜ彫刻?という意味の質問だと思います。

たくさんある素材や技法の中で彫刻を選んだのではなく、私には最初から立体物を自分の手で作ることにしか興味がなかったのです。

 

23歳を目前にした春、美術の予備校に入って人生で初めて木炭を握りました。

初めてのデッサンはセレネの馬。

モチーフを自分で選んでいいと言われたので、数ある石膏像の中から唯一とも言える動物を見つけ出しました(私は昔から人間よりも動物の方が好きだったのです)。

木炭の使い方を教わりつつ恐る恐る描いた最初のデッサンは・・・どヘタクソでした。

画像が残っていたらお見せしたいのですが、どうも残っていないようなので胸を撫で下ろしています。

だって、絵は難しいですから!

3Dであるものを2Dにすることは私にとってまるで魔法です。

その後、来る日も来る日もデッサンをし続け、なんとか大学に入ることができましたが(それもデッサンが上手くなったというよりセンター試験の結果によるところが大きい)、未だにデッサンの上手い人を見ると尊敬の念を抱かざるにはいられません。

 

以上が前置き。やっぱり絵画じゃないと分かった出来事。

 

 

 

彫刻を本気でやり始めた本当の理由は「現実世界に私の想像したものを現出させられるから」です。

本来はここにあるべきではないものがここにあったり、

こんなの実際に有り得ないよ!という状況が作れたり、

何これ?見たことない!というものを今ここに出現させることができるのが彫刻だと私は思っています。

ちゃんと自分と同じ空間に存在して、同じ時を共有している。

その心地よい不思議さが、逆に「普通」や「常識」ってなんだったっけ?と考える手助けをしてくれます。

これらは彫刻じゃなきゃできないことなのではないでしょうか。

 

なので私は彫刻を選んだわけではなく、ものすごく遠くからびゅーんと彫刻目指して一直線に飛び込んできたのです。

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